フェリング・ファーマ株式会社
110カ国で医薬品を販売するスペシャリティファーマ
----貴社の事業内容について教えていただけますか?
フェリング・ファーマ株式会社は、1950年代に設立されたスイスの非上場企業であるフェリング・ファーマシューティカルズの日本法人として、2001年に設立されました。フェリング・ファーマシューティカルズは、ペプチド・ホルモン製剤に特化した世界的な研究開発型スペシャリティファーマ(専門的な製薬会社)であり、過去70年以上にわたり母子向けの治療薬を開発してきました。
当社は、妊娠から出産までに使用する治療薬ポートフォリオを有しており、生殖医療・周産期、消化器と泌尿器・泌尿器がんの革新的な医薬品の開発、研究、及び販売を行っています。これらの活動を通じて、患者の生活の質を向上させることに寄与しています。また、フェリング・ファーマシューティカルズは、日本を含む約60カ国に子会社を持ち、110カ国で製品を販売し、全世界で約6,500人の従業員を擁しております。
若年層に不妊治療のことをもっと知ってもらいたい
貴社が今回の不妊治療の啓発イベントに協賛することになった経緯や理由について教えていただけますか?
私たちフェリングが依頼し実施した第三者の調査機関による不妊症患者の治療経緯(Patient journey)に関する調査から、不妊症患者たちは情報が不足しているために、適切なタイミングで適切な治療を受けられていないという事実が明らかになりました。
治療終了後の患者の意見の中には、「若い時から不妊に関する知識を得ておきたかった」という声がありました。
この結果から、私たちは若年層の男性と女性への不妊症の啓発が非常に重要であると感じ、そのためにこのイベントに協賛することを決定しました。当社の目標は、社会全体が不妊についての理解を深め、必要な人々が適切な時期に適切な治療を受けることができるようにすることです。
子どもを持つことを人生のポジティブな選択肢にしたい
----このイベント協賛を通じて、貴社が目指す目標や期待する効果は何ですか?
参加者の方たちに以下のことを期待しています。
1. 本企画とは独立して同様のテーマのプログラムを自主的に実行していただきたいこと、
2. 子どもを持つという人生の選択肢の1つについて前向きに捉えて頂くこと、
3. 多くの若い方が正しい情報をもとに、将来のファミリープランニングについて日常的に意見を言い合える環境が創出されること
不妊当事者以外にも広く理解を!
----このイベントを通じて、不妊治療を必要とする人々やその家族に何を伝えたいと思っていますか?
不妊患者の当事者だけでなく、家族や会社など周囲の方々の理解が深まる必要性があることを伝えたいと思います。
不妊治療は決して特別な治療ではないということ
----不妊治療や生殖医療について理解することの重要性について、貴社はどう考えていますか?
不妊治療や生殖医療についての理解は、社会全体の課題として捉えるべきだと私たちは考えています。それは、これらの治療が特別なものとされることなく、他の一般的な疾患治療と同等に認識されるためです。こうすることで、個々の人々が自身の健康状態についてより適切な意志決定を行い、適切なタイミングで適切な治療を受けられる可能性が高まります。
エビデンス重視で質の向上を目指す
----貴社が製品開発やサービス改善に当たって重視していることは何ですか?
私たちは製品開発やサービス改善において、質の高いエビデンスに基づく薬剤や治療法の開発を重視しています。医師の経験に過度に依存することなく、標準的な治療法が一般的に普及し、治療結果の質の向上を目指していきたいと考えています。
メディアやSNSを活用して広く啓発活動を実施
不妊治療の認識や理解を広めるために、このイベントの他に貴社はどのような取り組みをしていますか?
本国のFERRING GlobalではSNSを活用してファミリープランニングの認識を向上させる活動を行っています。また、メディア向けに、現在の不妊治療に直面している患者が抱える課題や疾患についての情報提供と啓発活動も行っています。これらの取り組みは、不妊治療の理解を深め、社会全体の受け入れを促進するためのものです。
若年者への抜本的な教育が重要
----不妊治療に関する社会における不妊治療のとらえ方について、貴社はどのように考えていますか?
私たちは不妊治療に対する社会の理解をさらに広げる必要があると考えています。特に、若年者の教育プログラムに根本的な見直しが必要です。教育の早い段階から不妊治療についての正確な知識と理解を広めることで、社会における不妊治療のとらえ方が変わってくると私たちは信じています。
自治体が独自に行うサポート拡大がポイント
----社会全体の不妊治療への理解を高めるために今後どのような取り組みが必要だと考えられますか?
社会全体の理解を高めるためには、広範な取り組みが必要だと考えています。インフルエンサーや著名人による情報発信はもちろん重要ですが、それだけでなく、地方自治体が独自に行っているサポート体制などをメディアを通じて積極的に広めることも大切です。そうすることで、多くの自治体がこれらの取り組みを模範として参考にし、同様のサポート体制を整えることで、全体としての不妊治療に対する理解とサポート環境を向上させることが期待できます。
社会全体の理解が必要
----未来の不妊治療について、貴社が見ている展望や期待を教えていただけますか?
私たちの期待と展望は、社会全体が不妊治療を理解し、受け入れることです。これは不妊治療が特別なものとしてではなく、他の一般的な疾患治療と同等に扱われることを意味します。その結果、人々が自身の健康について適切な選択をするための情報を持ち、適切なタイミングで適切な治療を受けられることにつながります。
不妊治療は誰にでも起こりうるごく一般的な治療
----最後に、不妊治療を必要とする人々へのメッセージをお願いします。
現在、不妊治療は一般的な医療の一部となっています。だからこそ、情報共有を積極的に行うことを期待しています。情報を共有することは、自身が直面している困難や不安を軽減するだけでなく、周囲の人々に不妊治療に対する理解を深めてもらう機会の提供につながります。これにより、不妊治療を受けることが普通のこととして社会全体に受け入れられるようになります。そして、不妊治療を必要とする他の人々も、より安心して治療を受けられる環境が整うのではないかと考えています。